ウォレットパスの更新は、パスの作成ツールまたはAPIで内容を編集するだけです。その後はプラットフォームが、パスを保存しているすべての端末でカードの表示を書き換えます。再インストールは不要です。Appleでは、変更メッセージ(change message)を設定したフィールドに限り、ロック画面に通知が表示されます。Googleが独自の通知を出すのは、ポイントカード、イベントチケット、搭乗券のパスだけです。
この記事では、更新の実務面を扱います。裏側の仕組みについてはウォレットパスの更新の仕組みをご覧ください。例として使うPushwoosh Wallet passesでは、すべてのパスがUser IDにひも付き、ビルダー、キャンペーン、APIのいずれからでも更新できます。iPhoneの利用率が高い日本市場ではApple Walletのパスが主役になりがちですが、Android利用者向けのGoogle Walletパスも同じ考え方で運用できます。
変更できる項目
ほぼすべてです。PushwooshのApple Walletパスでは、パス名と説明、フィールドの値とラベル、変更メッセージ、色、バーコードのメッセージ、有効期限とステータス、場所とビーコンを編集できます。画像は変更できません。Googleのパスでは、さらにロゴとヒーロー画像、バーコード、リンク、アプリへのリンクも差し替えられます。
変えられないものが1つあります。パスのスタイルまたはタイプです。ストアカードをクーポンに変えることはできず、Googleのポイントカードパスをオファーに変えることもできません。形式を変える必要がある場合は、新しいパスを発行してください。
| 変更内容 | 例 | 顧客に見えること |
|---|---|---|
| フィールドの値 | ポイントが120から180に | カードの表示が更新される。変更メッセージがあれば通知も表示 |
| 日付や時刻 | イベントが20時開始に変更 | カードの表示が更新される。変更メッセージがあれば通知も表示 |
| ゲート、座席、番線 | ゲートB12からB20へ | カードの表示が更新される。変更メッセージがあれば通知も表示 |
| 色(Googleでは画像も) | 季節限定デザイン | カードの表示が更新される。通知なし |
| 場所 | 新店舗のオープン | ロック画面での関連性が変わる。通知なし |
| 有効期限または無効化 | 会員資格の終了 | カードがグレー表示になるか、期限切れに移動する |
1枚ずつ更新するか、全パスを一括で更新するか
Pushwooshのパスは、それぞれ1つのUser IDに属しています。そのため、更新の方法は2通りあります。
1枚ずつの更新は日常的なケースです。1回の購入で1人の顧客の残高が変わり、その顧客のカードだけが変わります。手作業でクリックするのではなく、APIやタグ同期でほぼ自動化することになります。
一括更新は、プログラム全体を対象にするケースです。会員規約の改定や、初売り、年末商戦に合わせた季節デザインをすべての保有者に反映するといった場面です。Pushwooshでは、Wallet Pass Campaign(ウォレットパスキャンペーン)で実行します。共有(shared)に設定したフィールドはキャンペーンから発行したすべてのパスで更新され、個別(personal)フィールドは顧客ごとの値を保持します。保存する前に、編集が何枚のパスに影響するかもキャンペーン上で確認できます。
Google Walletのパスでは、フィールドにユーザータグを入れられます。Pushwooshはパスの作成時にタグの値を埋め込み、更新のたびに値を最新にするため、カードには常にプロファイルの現在の内容が表示されます。キャンペーンでは、タグ同期によって両プラットフォームで同じことが編集なしで行われます。フィールドの元になるタグが変わると、次回のチェック時(デフォルトでは60分ごと)にパスへ新しい値が反映されます。
変更メッセージ:誰に通知を出すか
すべての更新で顧客の注意を引く必要はありません。どの更新で通知を出すかは、あなたが決められます。
Appleでは、フィールドに変更メッセージを設定します。たとえば「ゲートが%@に変更されました」といった文面です。そのフィールドが変わると、iOSがロック画面にメッセージを表示します。変更メッセージのないフィールドは、通知なしで更新されます。
Googleでは、変更されたフィールドについてGoogle独自の通知を送るかどうかがパスのタイプで決まります。通知が届くのはポイントカード、イベントチケット、搭乗券のパスだけで、文面はGoogleが作成します。イベントチケットと航空便では、開始まで3時間を切った場合にのみ通知されます。どのタイプでも、代わりにAPIまたはキャンペーンから更新にカスタム通知を添えられます。Googleの通知は1枚のパスにつき24時間で3件までで、それを超えるとパスは通知なしで更新されます。
私たちの目安は、顧客が行動を起こす必要のある変更にだけ通知を出すことです。ゲートの変更、時刻の変更、まもなく失効するポイントなどです。デザインの刷新や新店舗の追加に通知は必要ありません。
変更メッセージはマーケティングチャネルではない
フィールドの変更を使ってセールを告知したくなるかもしれませんが、やめましょう。AppleとGoogleが許可しているのは、残高、ステータス、スケジュールなどパスに関する通知だけです。このルールを破ることが、カードを削除される一番の近道です。
販促は、同じ顧客にアプリのプッシュ通知、メール、SMSで届けましょう。LINE公式アカウントを併用している場合も同様です。すべてのパスはUser IDにひも付いているため、保有者はすでに配信対象に含まれています。特典の準備ができたときなど、パス自体について保有者に知らせる方法はパス保有者へのメッセージ配信に関するドキュメントにまとまっています。
APIで更新する
POS、予約システム、ポイント台帳など、自社システムの変更をパスに反映するなら、ビルダーではなくAPIを使います。流れは両プラットフォームで同じです。パスを特定し、新しい値を送り、同期はプラットフォームに任せます。ECアプリの購入履歴やゲームのイベント進捗を基幹システムで管理している場合も、この方法が基本になります。
メソッドとパラメーターは、Apple Wallet PassKit APIとGoogle Wallet APIのリファレンスに記載されています。
期限切れ、無効化、復元
パスにはライフサイクルがあり、きれいに終わらせることは始めることと同じくらい重要です。古いままのカードがWalletに残っているのは、カードがないよりも悪い状態です。
Appleでは、有効期限を設定するとその日を過ぎたパスがグレー表示になります。クーポンの利用後などに、パスを無効(voided)にすることもできます。Googleでは、パスを無効化すると顧客の「期限切れのパス」に移動し、後から再度有効にできます。Googleのパスを削除すると、Google側で無効化され、Pushwoosh上のレコードも削除されます。
更新が届かないとき
ほとんどのケースは4つの原因で説明できます。
Appleの証明書の期限が切れている。AppleのパスはPass Type ID証明書で署名されており、期限が切れるとパスの署名も更新もできなくなります。アップロードしたその日に、更新日をカレンダーに登録しておきましょう。
顧客がパスを削除している。更新が届くのは、パスがまだ保存されている端末だけです。
更新は届いたが、通知が出ない。Appleでは、フィールドに変更メッセージが設定されているかを確認します。Googleでは、パスのタイプ、Notify about changed fieldsのチェックボックス、1日あたりの上限を確認します。
顧客がそもそもパスを追加していない。発行しても保存されていないパスには、更新は届きません。インストールリンクを再送してください。
関連記事:ウォレットパスの配布方法
Pushwooshですべてのパスを最新に保つ
Pushwooshは、ネイティブのApple WalletパスとGoogle Walletパスをビルダー、キャンペーン、APIから更新します。各パスはプッシュ通知、メール、SMSと同じUser IDにひも付いています。1人の残高でもプログラム全体でも変更でき、どの変更で通知を出すかも選べます。ISO 27001:2022とSOC 2 Type 2の認証を取得し、GDPRに準拠しているため、情報システム部門の審査資料としてもご活用いただけます。
顧客に正しい情報を届けるために必要なのは、配信を増やすことではありません。Walletの中のカードが、常に正しい状態であることです。
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