米国では、2025年のブラックフライデーとサイバーウィークのオンライン売上が442億ドルに達し、ホリデーシーズンのオンライン消費の半分以上がスマートフォン経由でした。それなのに、多くのユーザーが朝9時に受け取ったのは、どこも同じ「最大50%オフ」のプッシュ通知です。値引き幅を大きくしても、その山から抜け出すことはできません。
日本でもブラックフライデーは、大手EC・小売が参加する11月の大型セールとしてすっかり定着しました。その直後には年末商戦が控えているため、ここで顧客との接点をつくれるかどうかが、12月の売上にも響きます。
本記事では、値引きの一斉配信にとどまらないブラックフライデーのマーケティング施策を13個、Pushwooshでの具体的な実装方法とあわせて紹介します。さらに、どの施策が実際に売上を生んだのかを確かめるテストを1つ(キャンペーンの効果を証明するために)お伝えします。
🔥 ブラックフライデー前: 需要を温める
セール前の1週間で、金曜日にメッセージを開いてくれる人が決まります。この期間は、ロイヤル顧客に特典を用意し、購入の可能性が最も高い人にオファーを届けることに使いましょう。
施策1: 優良顧客に先行アクセスを提供する
RFMで上位の顧客、つまり購入頻度が高く購入金額も大きい顧客には、セールを24〜48時間早く開放しましょう。顧客は特別扱いされていると感じ、あなたは金曜日のアクセス集中の前に負荷を分散できます。さらに、需要を早めに読めるのも利点です。優良顧客の反応を見れば、ブラックフライデー当日の動きをある程度予測できます。
🛠️ 実装方法: RFMセグメンテーションで最もロイヤルな顧客を抽出します。次に、Customer Journey Builder(カスタマージャーニービルダー)でオーディエンスベースのジャーニーをスケジュールし、プッシュ通知とメールを配信します: 「先行アクセスの対象に選ばれました。ブラックフライデーは明日午前8時から、あなただけ一足早くスタートします。」
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施策2: なくならないクーポンを配る
メールに書かれたプロモーションコードは、翌日には受信箱に埋もれてしまいます。Apple WalletやGoogle Walletに保存したクーポンなら、カードと一緒に保管され、レジでもワンタップで表示できます。
🛠️ 実装方法: ブラックフライデーのクーポンを、ジャーニーから直接ウォレットパスとして発行します。ジャーニーがパスを作成し、続くプッシュ通知やメールでApple WalletまたはGoogle Walletに保存するためのリンクを届けます。
ポイント: ステップではAppleとGoogleの両方のキャンペーンを選択し、メッセージに両方のリンクを入れてください。日本ではiPhoneユーザーも多いですが、Apple用のリンクだけでは、Androidユーザーに開けないリンクが届いてしまいます。
施策3: アプリアイコンをブラックフライデー仕様に切り替える
ブラックフライデーには、あらゆるブランドが同じ数秒の注目を奪い合います。だからこそ、ブランドの細部が効いてきます。アプリアイコンはその1つです。ユーザーはスマートフォンのロックを解除するたびにアイコンを目にします。ブラックフライデー版のアイコンなら、メッセージを1通も読まないうちに、セールが始まったことを伝えられます。
🛠️ 実装方法: アプリアイコンの変更機能を使えば、カスタムデータを含むプッシュ通知でアイコンをリモートで切り替えられます。
🛒 ブラックフライデー当日: その瞬間の買い物客をつかむ
当日は、すべてのブランドが配信します。ここで紹介する施策は、適切な場所と適切なタイミングで姿を現すことで勝ちにいくものです。
施策4: 店舗の近くを通った買い物客に通知する
ブラックフライデーに店舗から2ブロックの場所にいる買い物客は、すでに半分まで来ています。あとは店に立ち寄る理由を渡すだけです。
🛠️ 実装方法: 店舗の周囲にジオゾーンを描き(半径は50 mから100 kmまで、デフォルトは200 m)、ユーザーがゾーンに入ったときにジャーニーを開始します: 「駅前店まであと2分です。このコードを提示すると、本日さらに15%オフになります。」
ポイント: ゾーンへの進入だけでなく、滞在(dwell)をトリガーにすることも試してみてください。滞在タイマーを使えば、車で通り過ぎただけの人を除外し、実際に近くで足を止めた人に届けられます。位置情報へのアクセス許可が必要なので、セールの週より前に、わかりやすい理由を添えて許可を求めておきましょう。
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施策5: セールバナーでアプリ画面をテイクオーバーする
アプリ内メッセージにはプッシュ通知の許可が要らないため、通知をオフにしているユーザーにも届きます。ブラックフライデーには、そうしたユーザーこそが最もエンゲージメントの高い層であることも少なくありません。自分からアプリを開いてくれるからです。
🛠️ 実装方法: その日最初のアプリ起動時、またはホームフィードやカテゴリページなど特定の画面にユーザーが移動したときに、フルスクリーンのアプリ内メッセージを表示します。バナーは1枚、オファーは1つ、セールへのボタンも1つに絞りましょう。
施策6: セール終了までカウントダウンする
時を刻む時計は、「今週末にでも」を「あと3時間以内に」に変えます。最も低コストで加えられる緊急性です。
🛠️ 実装方法:
- Webサイトでは: 深夜0時までカウントダウンするブロックを入れたWebポップアップを表示します。
- メールでは: ドラッグ&ドロップのメールビルダーで同じカウントダウンブロックを使い、ブラックフライデーのすべてのメールに実際の締め切りを表示します。
ポイント: タイマーがゼロになったときに何を見せるかを決めておきましょう。止まったままの00:00:00よりも、「セールは終了しました。引き続きお得な商品はこちら」のほうが売上につながります。
メールのフォーマットをもっと知りたい方は: ブラックフライデーのメールキャンペーン
施策7: 買い物客ごとにワンタイムのプロモーションコードを発行する
全員共通のBLACKFRIDAY30のようなコードは、数時間のうちにクーポンサイトに出回ります。ワンタイムコードなら流出せず、どのメッセージがどの購入につながったのかも正確にわかります。
🛠️ 実装方法: コードをCSVでVouchers(バウチャー)にアップロードし、コードプールを作成します。次に、メッセージに {{voucher}} プレースホルダーを入れ、ジャーニーでプールを選択します。受信者はそれぞれ自分専用のコードを、プッシュ通知、メール、SMS、WhatsApp、LINEで受け取ります。日本のユーザーに届けるなら、普段から使われているLINEでのコード配信も有力な選択肢です。全体の流れはスマートクーポンジャーニーで確認できます。
ポイント: コードは必要だと思う数より多めにアップロードしておきましょう。プールが空になると、メッセージそのものが送信されません。
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施策8: プッシュ通知から直接カートに追加できるようにする
プッシュ通知から購入までのタップが1回増えるごとに、購入者は離れていきます。アクションは通知の中に置きましょう。
🛠️ 実装方法: セール商品の画像とアクションボタンを付けたリッチプッシュ通知を送ります: 「カートに追加」と「すべてのセールを見る」。各ボタンはそれぞれ別のディープリンクを開くので、「カートに追加」を押したユーザーを、商品が入った状態のカートに直接案内できます。
セール向けのプッシュ施策をもっと知りたい方は: ブラックフライデーのプッシュ通知: 2025年BFCM売上を伸ばす秘訣
施策9: すべてのセール情報をアプリのInboxに残す
ブラックフライデーのプッシュ通知の寿命は数秒です。すぐに次のブランドの通知に埋もれてしまいます。朝9時にあなたのセール通知をスワイプで消したユーザーは、ようやく買う気になった夜10時に、それを探す手段がありません。
🛠️ 実装方法: セール情報をMessage inbox(メッセージInbox)に送ります。Message inboxは現在、プッシュ通知、メール、SMSと並ぶ独立したチャネルとして利用できます。カスタマージャーニービルダーでは、メッセージがInboxに直接届き、Webとモバイルの両方のユーザーにリーチできます。
各セール情報は設定した有効期限までアプリに残るので、出遅れた買い物客もさかのぼってオファーを見つけられます。
施策10: プッシュ通知が届かないときはメールやSMSに切り替える
全員がプッシュ通知をオンにしているわけではありません。それでも、ブラックフライデーに取りこぼすわけにはいきません。かといって、お昼前に6通もプロモーションを受け取りたい人もいません。
🛠️ 実装方法: 各メッセージの前にReachability check(到達可能性チェック)を追加します。まずはプッシュ通知、プッシュ通知が使えなければメール、SMSはほかの方法では届かない高価値の顧客だけに使います。
ポイント: あわせてフリークエンシーキャップを有効にし、すべてのキャンペーンを通じて1人のユーザーが1日に受け取るメッセージ数を制限しましょう(配信停止率の上昇も防げます)。
💻 サイバーマンデーとその後: 迷っている人の購入を後押しする
週末いっぱい価格を比較して、月曜日に購入する人もいます。カートに商品を残したまま離れる人もいます。この期間は、いずれにしても買う人にまで値引きすることなく、こうした購入を確定させることが目的です。
施策11: 締め切りを使ってブラックフライデーのカゴ落ちを回収する
ブラックフライデーのカゴ落ちには、最初から締め切りが付いています。セールは月曜日の夜に終わるからです。これを活用しましょう。
🛠️ 実装方法:
1. イベントで開始する。 cart_abandonedにトリガーベースのエントリーを設定します。カートに商品を残して離れた買い物客は、全員がジャーニーに入ります。
2. リマインダーのプッシュ通知を送る。 「カートの商品はそのままです。ブラックフライデー価格もまだ有効です。」
3. 購入を待つ。 Wait for triggerを追加します。24時間以内に購入したユーザーはジャーニーを抜け、購入しなかったユーザーは次のステップに進みます。
4. 月曜日の朝にメールを送る。 カートの中身、価格、締め切りを伝えます: 「本日深夜0時に終了します。」
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施策12: 閲覧履歴に基づいておすすめ商品を送る
閲覧したものの購入しなかったユーザーは、何が欲しいのかをすでに教えてくれています。その商品を、今度はサイバーマンデー価格でもう一度見せましょう。
🛠️ 実装方法: Product catalog(商品カタログ)を接続し、メールにProductsブロックを追加して、各ユーザーが閲覧したカテゴリの商品で埋めます。
🤑 ブラックフライデーキャンペーンの効果を証明する
毎年、マーケティングチームはブラックフライデーを全力で駆け抜けます。プッシュ通知を増やし、メールを増やし、値引きも増やします。
どのグラフも右肩上がりなので、どのキャンペーンも成功したように見えます。ところが1月になると、どれが本当に成果を生んだのか、そして購入者のうち何人がいずれにしても買っていたのかを、誰も説明できません。
今年は、初日から測定を始めましょう。
施策13: コントロールグループ(ホールドアウト)を設ける
Pushwooshなら、ジャーニーに要素を1つ追加するだけで、どの購入者がメッセージのおかげで来たのか、どの購入者がいずれにしても買っていたのかがわかります。
🛠️ 実装方法: ブラックフライデーのジャーニーのエントリー直後にHoldout Splitを追加し、買い物客の5〜10%を除外します。除外されたユーザーはジャーニーを抜けて何も受け取らず、それ以外の全員にメッセージが届きます。
コンバージョン目標に購入を設定すると、Goal uplift vs holdoutレポートで、ローンチの翌日から2つのグループを比較できます。
この検証結果は、ブラックフライデーのあとに続く年末商戦や初売りの施策を選ぶ際の、社内説明の根拠としても使えます。
Pushwooshでブラックフライデーキャンペーンを始めましょう
ここで紹介した施策は、すべて1つのプラットフォームで実行できます。セグメント、コードプール、Walletパス、ジオゾーン、アプリ内メッセージ、Inbox、そして何が効いたのかを示すコントロールグループまで揃っています。
オーディエンスに合った施策を2〜3個選び、10月中に構築しましょう。そうすれば、セール前の1週間をテストに充てられます。