ウォレットクーポンとは、受信トレイやPDFではなく、Apple WalletやGoogle Walletに保存されるデジタルクーポンです。有効期限を表示でき、店舗の近くではロック画面に表示されることがあり、レジでそのままスキャンできます。小売企業にとっては、「いざというときにお客様がクーポンを見つけられない」という昔からの課題を解決する手段です。
Pushwooshでは、クーポンはプッシュ通知やメールと同じ基盤からUser IDに対して発行されます。そのため、既存のジャーニーの中でECと小売向けのウォレットクーポンを運用できます。
PDFやメールのクーポンが成果を出しにくい理由
メールやPDFのクーポンは、お客様がレジで見る場所にはありません。後ろに列ができている中で、受信トレイを検索し、ファイルを開き、バーコードを拡大することになります。
匿名の買い物客がいると、問題はさらに大きくなります。Brazeの推計では、小売アプリやECアプリの買い物客の86%が匿名です(ベンダーによる推計、25億人のアプリユーザーの分析)。ウォレットのクーポンなら、先にログインを求めることなく、割引を特定の顧客に結び付けられます。
この切り替えは、すでに市場で試されています。タイのハイパーマーケットチェーンBig Cは、PDFクーポンからGoogle Walletのクーポンに切り替え、平均購入額が38%高くなりました(Google Walletの事例集に掲載された他社の事例であり、Pushwooshの成果ではありません)。
クーポンとオファー:パスタイプの違い
AppleとGoogleでは形式の呼び方が異なり、その違いは通知に影響します。
| Apple Wallet | Google Wallet | |
|---|---|---|
| パスタイプ | Coupon(クーポン) | Offer(オファー) |
| 有効期限 | 有効期限を設定すると、パスがグレー表示になる | 有効期限を設定すると、Googleがパスを失効させる |
| 使用済みにする | Voidedフラグ | 無効化または削除すると、パスが「期限切れのパス」に移動する |
| 更新時のロック画面通知 | フィールドに変更メッセージがあれば表示される | Offerには標準の通知がなく、APIで独自の通知を送る |
| 位置情報による表示 | 最大10か所 | 最大10か所 |
| バーコード | QR、PDF417、Aztec、Code128 | 同じ形式に加えてEAN-13 |
設定を左右するのは2つの行です。POSがEAN-13しか読み取れない場合、Googleは対応していますが、Appleは対応していません。失効前に通知を出したい場合、Appleは変更メッセージを表示しますが、GoogleのOfferでは更新と一緒に独自の通知を送る必要があります。
パスタイプは作成時に固定されるため、クーポンを後からポイントカードに変えることはできません。
有効期限と自動無効化
明確な終了日のないクーポンは、お客様に「待てばいい」と学習させてしまいます。パスを発行するときに有効期限を設定し、あとはWalletに任せましょう。Appleのクーポンはグレー表示になり、Googleはオファーを失効させます。
失効の前日に、Appleのクーポンの「有効期限」の行などのフィールドを更新し、変更メッセージを設定すると、iOSが新しいテキストをロック画面に表示します。Googleのお客様には、更新に独自の通知(APIのnotifyMessage)を付けるか、同じジャーニーの中でプッシュ通知やメールでリマインドを送ります。
日本の小売では、正月の初売り、夏季セール、ブラックフライデー、年末商戦のように、販促の期間がはっきり決まっているのが一般的です。クーポンの有効期限をこうしたセール期間の最終日に合わせておけば、期限切れのクーポンが使われるトラブルを防ぎつつ、最終日前日のリマインドで駆け込み需要を後押しできます。
iPhoneの利用率が高い日本市場では、Appleの変更メッセージによるロック画面の表示が、多くのお客様に届く通知手段になります。Androidのお客様向けの独自の通知やプッシュ通知は、同じジャーニーの中でまとめて設計しておきましょう。
位置情報で表示されるクーポン
クーポンに店舗の位置情報を1枚のパスにつき最大10か所まで追加すると、お客様が近くにいるときにロック画面に表示されることがあります。表示するかどうかはWalletが判断するため、確実なトリガーではなく、強力な後押しと考えてください。
10店舗を超えるチェーンは、APIを使って、お客様ごとに最寄りの店舗を設定したクーポンを発行しましょう。
POSでの利用
クーポンにはバーコードが入っています。レジ担当者がスキャンすると、印刷されたクーポンと同じようにPOSが割引を適用します。スキャナーがすでに読み取れるバーコード形式を選び、公開前に実機のスマートフォンでテストしてください。
自社側では、2つの連携ポイントに開発者が必要です。1つは、POSがクーポンコードを認識できるようにすること。もう1つは、利用イベントをPushwooshに戻すことです。これにより、ジャーニーがパスを無効化し、リマインドの送信を止められます。
ジャーニーによるパーソナライズ
ウォレットクーポンは、一斉配信するよりも、お客様の行動に応じて渡すほうが効果的です。ライフサイクルの節目で発行しましょう。
- 初回購入。 有効期限2週間の次回来店クーポン。
- 離脱しかけている顧客。 30日間注文がなければクーポンを発行し、Add to Walletボタン付きのメールやSMSで届けます。
- ランクアップ。 新しくGold会員になったお客様に、より価値の高いクーポン。
フィールドには、割引額や個別のコードなど、お客様ごとの値を入れられます。Kiehl’sは、個別のオファーと通知を組み合わせたGoogle Walletのポイントカードで、65%の利用率を達成しました(Google Walletの事例集に掲載された他社の事例であり、Pushwooshの成果ではありません)。クイックサービスのチェーンも、同じパターンを次回来店クーポンに使っています。
LINE公式アカウントでセール告知を送っているチームも、クーポン本体はウォレットに置くと役割を分けやすくなります。告知はLINEやプッシュ通知、メールで行い、お客様がレジで提示するのはウォレットのクーポン、という分担です。
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クーポン自体が伝えられること
クーポンのパスは、お客様が自分で保存すると決めたものです。通知はそのクーポンに関する内容にしましょう。明日で期限が切れる、新しい店舗でも使えるようになった、などです。AppleとGoogleは、パスを使って無関係なセールを告知することを認めていません。
新しいプロモーションはプッシュ通知、メール、SMSで送り、それらのチャネルでパーソナライズしたクーポンキャンペーンを運用できます。クーポンのパスは、お客様が利用するためのものです。
Pushwooshでクーポンの利用率を高める
Pushwooshは、ネイティブのApple WalletクーポンとGoogle WalletクーポンをUser IDに対して発行し、有効期限、位置情報、バーコードをビルダーまたはAPIで設定できます。1つのジャーニーで、クーポンの発行、プッシュ通知やメールでのリマインド、利用後のパスの無効化まで行えます。
クーポンの利用率は、割引を大きくしても上がりません。お客様が支払おうとするその瞬間に、クーポンが手元にあることで上がります。
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