銀行やフィンテックにとって、ウォレットパスが担うのは決済そのものではなく、決済の周辺です。ポイントやキャッシュバックのカード、会員ランク、提携特典のカードなどです。パスはApple WalletやGoogle Walletの中で決済カードの隣に置かれ、残高やステータスを表示し、取引のたびに更新されます。決済カードはApple PayとGoogle Payに残ります。

Pushwooshでは、パスがプッシュ通知、アプリ内メッセージ、メール、SMSと1つの顧客プロファイルを共有するため、すでに送っているメッセージと並行して銀行とフィンテック向けのウォレットパスを運用できます。

月間のキャッシュバック、支払日、キャッシュバックのカテゴリー、QRコードが表示された、Apple WalletのNova Bankの特典カード

バンキングアプリの隣でのウォレットの役割

バンキングアプリは、顧客が残高を確認し、支払いをし、お金を動かす場所です。その中で3画面も奥にあるポイントプログラムは、忘れられがちです。

銀行の乗り換えを左右するのはデジタル体験です。デジタルバンキングの利用者の半数が、より良いデジタル体験のためなら取引先を変えると答え、31%はすでに変えています(Alkami、2025 Generational Trends in Digital Banking Study)。Bainは、追加サービスで別の金融機関に乗り換えた理由の36%が、より優れたデジタルツールだったことを明らかにしています(Bain、2023年)。

ウォレットのカードはアプリの代わりにはなりませんし、なろうとすべきでもありません。顧客が支払いのために開くのと同じウォレットアプリの中に、ポイントプログラムの常に最新の居場所をつくるものです。iPhoneの利用率が高い日本市場では、そのウォレットアプリの多くがApple Walletです。

銀行がウォレットに入れるもの

パスAppleのタイプGoogleのタイプ表示する内容更新のタイミング
ポイントまたはキャッシュバックのカードStore CardLoyaltyポイントまたはキャッシュバックの残高、ランク対象となる取引のたび
会員ランクのカードGenericGenericプラン、ランク、入会日、特典ランクの変更時
提携特典のカードGenericまたはCouponGenericまたはOffer特典、提携先、有効期限特典の変更時または期限切れ時
パス
1 / 3
ポイントまたはキャッシュバックのカード
Appleのタイプ
Store Card
Googleのタイプ
Loyalty
表示する内容
ポイントまたはキャッシュバックの残高、ランク
更新のタイミング
対象となる取引のたび
パス
2 / 3
会員ランクのカード
Appleのタイプ
Generic
Googleのタイプ
Generic
表示する内容
プラン、ランク、入会日、特典
更新のタイミング
ランクの変更時
パス
3 / 3
提携特典のカード
Appleのタイプ
GenericまたはCoupon
Googleのタイプ
GenericまたはOffer
表示する内容
特典、提携先、有効期限
更新のタイミング
特典の変更時または期限切れ時

タイプは作成時に固定されるため、特典カードにGoogleの通知が必要かどうかは早めに決めておきましょう。Googleでは、これらのタイプのうち更新を通知できるのはLoyaltyパスだけで、上限は1枚のパスにつき1日3件です。GenericパスとOfferパスは通知なしで更新されます。

ポイントとキャッシュバックの残高パス

キャッシュバックやポイントの合計は、勘定系システムまたはポイントエンジンから送られます。対象となる取引のあと、システムがAPIで新しい残高を送り、顧客のスマートフォン上のカードが更新されます。

Appleでは、残高のフィールドに変更メッセージを設定すると、「%@のキャッシュバックを獲得しました」とロック画面に表示できます。使いすぎには注意しましょう。コーヒー1杯ごとの通知は、役に立つカードをノイズに変えてしまいます。私たちなら、特典の達成やキャッシュバックの支払いといった節目でだけ通知します。

キャッシュバックのデータフィールドがApple WalletのNova Bankの特典パスに反映され、パスの更新と関連するプッシュ通知が表示されている様子
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会員ランク

プレミアムやメタルのランクはステータスの商品であり、顧客に見えないステータスは価値が下がります。ランクのカードは、プラン、ランク、特典を1か所にまとめます。

顧客のランクが上がったらカードを更新し、変更メッセージで知らせましょう。ランクが下がったときも、ステータスを正直に更新します。古いランクを表示したままにしておくと、いずれ問い合わせにつながります。

コンプライアンス:カードに載せてはいけないもの

ウォレットパスはロック画面にも表示され、スマートフォンを手にした人なら誰でも見られます。公開情報として扱いましょう。

  • 口座番号やカード番号は載せない。 パスは会員を識別するもので、口座を識別するものではありません。
  • 口座残高や取引の詳細は載せない。 ポイント残高は問題ありませんが、預金残高は載せません。
  • それ以外の個人情報は載せない。 名前など、顧客がカードを使うのに必要なものだけにします。
  • 決済はApple PayとGoogle Payに残す。 ウォレットパスは決済カードではありません。

データがどこで処理されるかも重要です。Pushwooshはドイツと米国の自社インフラで運用され、EUの顧客のデータはドイツでホストし、ISO 27001とSOC 2 Type 2の認証を取得しています。日本の金融機関では、新しいツールの導入に情報システム部門の審査が伴うことが一般的です。第三者認証とデータの所在は審査でよく問われる論点なので、最初の説明資料に含めておきましょう。

カードの周りのジャーニー

  1. 口座開設

    特典カードを発行し、ウェルカムメールまたはアプリ内でAdd to Walletのリンクを送ります。

  2. 最初の対象取引

    カードの残高が更新されます。プッシュ通知でキャッシュバックの仕組みを説明します。

  3. 節目に到達

    カードに特典が表示されます。Appleでは変更メッセージで知らせます。

  4. ランクアップ

    ランクのカードを更新し、新しい特典をメールで案内します。

  5. 60日間利用なし

    プッシュ通知またはメールで再エンゲージメントを図ります。カードで販促は送りません。

顧客の登録時に特典カードを発行し、Add to Walletのプッシュ通知を送るPushwooshのジャーニー

AppleとGoogleが認めているのはパスに関する通知だけです。新しい預金口座などの商品の案内は、プッシュ通知、メール、アプリ内メッセージで送ります。

Pushwooshで特典を見える化する

Pushwooshは、ポイント、キャッシュバック、会員ランクのためのネイティブのApple WalletとGoogle Walletのパスを発行し、APIで更新し、同じジャーニーからプッシュ通知、アプリ内メッセージ、メール、SMSを配信します。データはドイツと米国でホストされ、ISO 27001とSOC 2 Type 2の認証を取得しています。

ポイントプログラムは、特典カタログを充実させれば機能するわけではありません。顧客が毎日目にする場所に残高があるとき、機能します。

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