Apple WalletやGoogle Walletのデジタル搭乗券は、ゲート、座席、搭乗時刻が変わると自動で更新される、スキャン可能なパスを乗客に提供します。航空会社のアプリがなくても使え、出発時刻の前後にロック画面に表示され、旅行当日のあいだ手元に残ります。航空会社にとっては、搭乗券が運航上の変更を伝えるリアルタイムのチャネルになります。
Pushwooshでは、パスとメッセージが1つの乗客プロファイルを共有するため、旅行当日のジャーニーの中で航空会社向けのウォレットパスを運用できます。
搭乗券をリアルタイムにすべき理由
旅行当日の変更は、航空会社が信頼を失う場面であり、規制当局も最低限のルールを定めています。EUでは、規則EC 261/2004の第14条により、航空会社は欠航を乗客に通知したことを証明する必要があります。米国では、DOTのTarmac Delay Ruleにより、7日以内に出発する便について、変更から30分以内に運航状況を更新することが求められています。
紙やPDFの搭乗券は、ゲートが変わった瞬間に情報が古くなります。ウォレットパスは表示が書き換わります。
市場はすでに動いています。Alaska Airlinesはウォレットの利用が前年比35%増加し、乗客の90%が空港に着く前にチェックインしていると報告しています(競合の事例、Airship、2025年)。Hawaiian Airlinesは、旅行当日の施策の一環としてGoogle Walletでの搭乗券の提供を始めました(競合の事例、Airship)。
搭乗券のタイプとバーコード
| Apple Wallet | Google Wallet | |
|---|---|---|
| パスのタイプ | Boarding Pass(transit typeはair) | Flight |
| バーコード | PDF417、ほかにQR、Aztec、Code128 | PDF417、ほかにQR、Aztec、Code128、EAN-13 |
| 更新の通知 | 変更メッセージを設定したフィールド | あり。出発の約3時間前から、1枚のパスにつき1日最大3件 |
| ロック画面への表示 | 関連する日時と空港の位置情報 | 追加した空港の位置情報 |
航空会社の搭乗券ではPDF417が求められることが多く、どちらのプラットフォームも対応しています。
ゲート、座席、時刻の更新
出発管理システム(DCS)でゲート、座席、搭乗時刻が変わると、システムがAPIで新しい値を送り、乗客のスマートフォン上のパスが更新されます。
変更メッセージは、ターミナルで重要になるフィールド、つまりゲート、搭乗時刻、座席に設定しましょう。Appleでは、値が変わると「ゲートが%@に変更されました」のようなメッセージがロック画面に表示されます。Googleでは、Flightパスが出発時刻の近くで、Googleの上限の範囲内で更新を通知します。iPhoneの利用率が高い日本市場では、乗客の多くがApple Walletで搭乗券を使うため、変更メッセージの設定がそのまま多くの乗客への通知になります。
見た目だけのフィールドには変更メッセージを設定しないでおきます。新しいゲートへ急ぐ乗客に、ロゴを更新したことを知らせる必要はありません。
関連記事:ウォレットパスの更新の仕組み
遅延時のジャーニー:パスとメッセージの組み合わせ
パスの更新は新しい情報を示しますが、理由までは説明しません。遅延や欠航のときは、同じジャーニーの中で更新とメッセージを組み合わせましょう。
- 1
遅延の発表
パスの出発時刻が更新されます。タイムセンシティブなプッシュ通知で遅延の理由を説明します。
- 2
端末に届かない
プッシュ通知を受け取れない乗客には、SMSで代替送信します。
- 3
ゲートの変更
パスが変更メッセージ付きで更新されます。アプリの利用者にはプッシュ通知も届きます。
- 4
欠航
パスを更新または無効にし、再予約の案内をプッシュ通知、メール、SMSで送ります。乗客は、使っているすべてのチャネルで欠航を知ることができます。
Googleは更新の通知を1枚のパスにつき1日3件までに制限しています。運航が乱れた日には、残りはプッシュ通知が担います。ゴールデンウィークやお盆のように旅行や帰省の需要が集中する大型連休は、運航の変更が多くの乗客に一度に影響しやすい時期です。遅延と欠航のジャーニーは、繁忙期の前にテストしておきましょう。
搭乗券以外のパス
同じ仕組みで、旅行の周辺にあるほかのパスにも対応できます。
1つはラウンジパスです。Alaska Airlinesは、ジオトリガーで上級会員を最寄りのラウンジに案内し、パスをウォレットに入れています(競合の事例、Airship)。
もう1つはマイレージ会員カードです。ランクとマイルを表示するロイヤルティカードで、搭乗のたびに更新されます。
空港も独自のプログラムを運用しています。Heathrow Airportはウォレットを使ったロイヤルティプログラムを運用し、1日平均1,245件の新規登録の増加を報告しています(ベンダーの事例、PassKit。航空会社ではなく空港の事例です)。
通知は旅行に関することだけに
搭乗券の通知は、ゲート、時刻、座席、搭乗といった旅行のためのものです。AppleとGoogleが認めているのはパスに関する通知だけです。座席のアップグレードや有料ラウンジの利用といった付帯サービスの案内は、プッシュ通知、メール、アプリ内メッセージで送ります。
設定
- AppleのPass Type ID証明書(Apple Developerアカウント、年額99ドル)と、GoogleのIssuer IDおよびサービスアカウントキー。
- AppleではBoarding Pass、GoogleではFlightを使い、バーコードはPDF417にします。
- 発行と更新のための、出発管理システムまたは予約システムからのAPI連携。
- ゲート、座席、搭乗時刻への変更メッセージ。
- プッシュ通知とSMSによる代替送信を備えた、遅延と欠航のジャーニー。
AppleとGoogleの初期設定は、Wallet passesのドキュメントに記載されています。
Pushwooshで乗客に情報を届け続ける
Pushwooshは、ネイティブのApple WalletとGoogle Walletの搭乗券をUser IDに対して発行し、APIでゲート、座席、時刻を更新し、同じプラットフォームからプッシュ通知、SMS、メールで遅延時のジャーニーを運用します。
旅行当日の乗客に必要なのは、より多くのメッセージではありません。決して古くならない搭乗券です。
よくある質問